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 2月4日、青梅マラソン、たかしと、きしが参戦した。

 ぽかぽかの春のような陽気の中、おくみと観戦に出かけてきた。眠い目をこすりこすり、あくびを飲み込みもせず電車に乗り山に向かった。

 河辺駅をおり、人ごみの中待ち合わせていたふみおを探していると、目の前にドピンクのシャツを着たずんぐりむっくりと、なぜかうれしそうなトラボルタが足踏みをしている。一言二言言葉を交わしたところでスタートしちまった。何のトレーニングもせず、不摂生極まりない生活を送っているこの二人が30kmを走るなどは狂気の沙汰で、うれしそうに走り始めた二人の後姿に、思わず合掌しそうになる。まぁ、この時点で目標の9割がた達成ということなのだろう。出場することに意義があるのだ。

 合流した二三夫と3人で、二俣尾まで先行し、2人を待つ。僕とおくみはピンクのシャツと、ビールを探しながらぶらぶら歩く。二三夫はスキットルに入れたジンを飲みながら春のような陽気を楽しんでいる。2kmほど歩いたところでずんぐりむっくりがドタバタ走ってくるのを見つける。

 「たかしぃー、大丈夫かぁー。」

 「ダイジョウブダァ。」

 「きしはぁー。」

 「コショウシタァ。」

 「そうかぁー、走れぇー。」

 「オッシャー。」

 やっと見つけた彼は、思っていた以上に元気に走っており、なんだかそのあどけない姿に盛り上がってしまった僕たちは、結局「頑張れ」といえないまま状況報告だけで終わってしまった。

 しばらく待っていると、左ひざをテープでぐるぐる巻きにしたきしがよたよた走ってくる。これがゴール地点だったら感動の再開だったのだが、まだ6km地点だ。しかし、重心の高い彼が、いきなり走り始め、ここまでこれただけで僕たちはうれしくなってしまい、走るように駅に向かい、下りの電車に飛び乗り、沢井駅で飛び降り、ビールをぶち買いかんぱいをした。

 2人ともやはり完走は出来なかったが、僕達のどこかを動かしてくれた。

 よかった。

      きし     11km地点まで走るも、左ひざの故障により棄権

      たかし    15km 折り返し地点にて時間切れで強制撤収

 

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