よりみち

こやまが店を閉めた。

僕はアマゾンに寄った。

ここは満席で誰もこやまのことなど思わず酒を飲んでいる。

僕はむりやり静かにグラスをあたためる。

そのうちこやまのところから人が流れてきた。

僕はやっとの笑顔で相手をする。

こやま、おつかれ。

晴れ

台風が通り過ぎた。

もっと荒れる事を想像していた僕は少しがっかりしたが、今日の晴れはうれしい。

台風が引きずってきた濃い雲がちらばった青空。

気分まで新しくなる。

突き抜けた気がする。

台風一過だ。

カメラを持って山にはいり透き通った空気のなか水滴の写真を撮り、人の来ない滝の霧を浴び、全部捨ててしまいたい。

まっさらになってこの先に進むのだ。
嵐の後には晴れがくる。

何かいいことがあるぞ。

転機

‘かど’が今月で閉まる。

僕は少し寂しくなりこやまに会いに行ってきた。
「つぎどうするんだ？」

「まだきめてないっすよ」

相変わらず飄々としたこやまに安心した。

クエストも閉めるらしくみんな色々変化していく。

何かを無くすことはとてもつらいが必ずその後違うものを手に入れる。

それをいい物にするためにがんばらなければならん。

いい物を造るぞ。

待ってろよ。

すばらしい朝

まだ暗いうちにテントから抜け出しバーナーでコーヒーを沸かす。

多めに入れたウイスキーにしびれてきたころ夜が明け始める。

藍色から青、青から紫色、空一面が紫になるころ稜線が金色に爆発する。

一気に金色の線が伸び太陽が頭をだす。

朝がきた。

僕は釣りをすることも忘れ見続ける。
一つだけ残った星がポイントになった空に息を呑み込み、小さな声で「すげぇ、すげぇ」と言い続ける。

あと６日後、そこに僕はいる。

もう少しの辛抱だ。

爆発寸前

なんかすっきりしない。

やりたいことは山ほどあり、あいたい子もいるのに何かかみあわない。

気持ちだけが前にすすみ、もどかしさ、あせり、鬱屈、喪失感にとらわれている。

とりあえず来週のキャンプだけが頼みの綱なのだがそこまで耐えられるのだろいか。

体を動かし、きれいな物だけ見て、いつも笑っていようか。

かんばらねば。

奥只見で桜鱒が僕を待っているんだ。